台所で使う布ふきんや食器・コップ。
洗っても汚れが落ちにくいと感じたら漂白剤できれいに汚れを落とすことができます。
ただ、塩素系漂白剤は間違った使い方をすると危険なガスが発生したり、体にとって影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
今回は台所用の漂白剤、キッチンハイターの使い方をまとめました。【キッチンハイター 楽天市場】
キッチンハイターの使い方
まず最初に指示表示を確認
キッチンハイターを使う際には、まず「使ってよいものかどうか」を確認しましょう。
キッチンハイターが使えるもの、使えないものは以下の通りです。
白物(色・柄のない)のふきん・おしぼり
プラスチック製品(メラミン除く)
シリコン製品
ナイロン製品
人工大理石
陶器
ガラス器
木・竹製品
色物・柄物のせんい製品
金属製の容器・用具
メラミン食器
漆器
獣毛のハケ
水洗いできない製品や場所
食品
塩素系は使えないと表示にあるもの
色物・柄物は色や模様が変色してしまうことがあります。
金属製の容器や食器、スプーンなども化学反応を起こしてメッキが剥がれたり変色することがあります。
獣毛のハケなども変性して使いにくくなったり、使えなくなってしまうことも。
水洗いできない製品や場所も、漂白剤を洗い流すことができないので使用できません。
「使えるもの」であっても、もしくは材質が不明なものは変色・変性することがあるので、最初に目立たない場所で確認してから使うようにしましょう。
つけ置きの時間が長くなってしまった場合も変性してしまうことがありますので、濃度や時間も使用上の注意を守って正しく使ってくださいね。
ステンレス製のボトルの口の部分の黒ずみは漂白剤を使っても今ひとつきれいにはなりませんでした。
茶渋ならば漂白できれいになるのですが、
金属そのものの黒ずみは
「酸化」という現象によるものも関係しています。
この場合は漂白剤を使っても新品のような輝きにはならず、研磨剤や専門の処置などが必要になります。
また、せんいの中など、素材の中まで入ったシミ、黒ずみは漂白剤でも取れない場合があります。
このような場合は、汚れをもみだすように洗ったり、歯ブラシや重曹ペーストをつけて、汚れの分子を書き出すようにすると効果的な場合があります。
繊維や材質自体が黄色く変色してしまったものは、漂白をしても元に戻ることはありません。
布製品に長時間つけ置きをしたり、濃度の濃い漂白液を使うと、素材が変性して手触りがゴワゴワになってしまうことがあります。
キッチンハイターの使い方:時間
キッチンハイターを食器に使ってみましょう。
公式サイトで推奨されている使用方法は
まな板、食器、きゅうす、タンブラー、マグカップ、哺乳びん、お弁当箱など
<除菌(消臭)>
【使用量の目安】
5Lの水にキャップ約2杯(キャップ1杯は約25ml)
【使い方】
約2分つけおきした後、水ですすぐ。
※木製のまな板は5分以上つけおきする。<漂白(除菌・消臭)>
【使用量の目安】
5Lの水にキャップ約2杯(キャップ1杯は約25ml)
【使い方】
約30分(汚れがひどい時には少し長めに)つけおきした後、水ですすぐ
普段の除菌・消臭の場合はつけ置き時間は約2分。
よごれがひどく、漂白も行いたい!という場合は約30分を目安に、少し長めにつけ置きしてから水ですすぎましょう。
使う液の量は5Lの水にキャップ約2杯(キャップ1杯は約25ml)。
大きめの桶やバケツに5L程度の水を入れて、キャップ2杯程度の漂白剤を入れる、というのがメーカー推奨の方法ですね。
複数の食器やまな板、マグカップや哺乳瓶、プラスチック製のお弁当箱を一度に漂白する時はこの方法が便利そうです。
ただ、「一度にそんなに大量に漂白しない」
「マグカップ1,2個を漂白したい」
場合の方法をご紹介します。
キッチンハイターの使い方:食器・コップに
食器への塩素系漂白剤の使い方
1. まず漂白したいものの大きさ(容量)を調べましょう。
コップ・マグカップ、瓶・ガラスなど、「一杯にお水を入れた場合にどれくらい入るか」を調べましょう。
だいたいの分量で構いませんが、サイズによって300mlや500ml、あるいは700mlというものもありますよね。
測り方は
・計量カップでいっぱいまで水を入れて調べる
・空の状態でキッチンスケールに乗せ、いっぱいまで水を入れたときの重さをはかる(カップそのものの重さをきちんと引いてくださいね)
などの方法があります。
こうして容量がわかったら、次にキッチンハイターの量を決めましょう。
5Lの水に対して50mlを使うということは
5L=5000mlの水に対し、漂白剤は50mlという比率ですね。
つまり、「100mlの水に対してハイターは1ml」という割合になります。
例えばもし400ml入るコップであれば、4mlのキッチンハイターを入れてふちまで水を注げばよいですね。
実際にやってみましょう。
毎日使っているマグカップです。
コーヒーの汚れがついています。
このカップはふちまで満たすと「約280ml」の水が入りますので
キッチンハイターの量は 3ml弱。
キッチンスケールにのせて測ってみましょう。
漂白剤1mlというと、大体このくらいです。
本当に「ちょっと」でよいですね。
3mlなのでもう少し加えます。
そしてふちまで水を一杯に入れて放置します。
いちいち測るのが面倒くさい、という人には
「ちょろっと」の漂白剤を入れて、いっぱいまで水を入れればOK
という感じでよいでしょう。
市販のペットボトルの500mlのサイズを思い浮かべて、
その8割くらいであればおよそ400ml、
半分であれば250ml程度と推定することができます。
入れすぎると塩素濃度が濃くなってしまうので換気には十分に注意してくださいね。
そしてこのまま30分放置します。
- 漂白剤使用前
- 漂白剤を入れたところ
Before Afterです。
30分つけおきしたものがこちら。
コップの内側は結構きれいになりました。
しかし、外側の口が当たる部分はまだ汚れが残ったままです。
コップの外側の口が触れる部分も結構汚れがたまりやすいので、外側も漂白しましょう。
ちょっと大きめの、コップが入るくらいのタッパーを用意します。
この中に、今コップの中に入れていた液をそのまま入れます。
そしてコップをさかさまにしてつけ置きします。
ちょっと高さが足りない場合は水を足します。
水を足しすぎて液が薄くなった気がしたら、またちょっとだけハイターを足します。
つけ置き後の変化です。
きれいになりました。
これで食器・マグカップの漂白は完了です。
キッチンハイターの泡状のものを使えば、このように「ひっくり返してつけ置き」をしなくともよいかもしれません。
ですが、わざわざ泡のものを買うのも手間ですし、物が増えてしまいますよね。
薄めるタイプのハイター一本で済ませることができるので、買い置きや収納の必要もありません。
※泡状ではない漂白剤を、泡のハイターの容器に詰め替えることはやめましょう。
きれいな泡にならず、こぼれたり飛び散って危険です。
漂白剤 食器のすすぎはどれくらいやればよい?
漂白剤を使った後の食器はどれくらいすすげばよいのでしょうか?
目安は、流水で30秒程度こすり洗いをして、さわってぬるぬるした感じや塩素の臭いがほとんどしなくなれば良いでしょう。
溜め濯ぎなら3~5回、すすいで、最後に水道水でよいので洗い流して、塩素の臭いやぬめりがほとんどしなくなれば良いです。
軽くすすぐ程度ですと、においやぬるぬるした感じが残ってしまうかもしれません。
キッチンハイターなどの塩素系漂白剤には、容器に「危険」と書いてありますよね。
すすぎ残しをして口から体に漂白剤の成分が入っては心配、と思う方もいるかもしれませんね。
洗剤をつけてさらに洗った方が安心、という方もいるようですが、そこまでしなくても大丈夫ですよ。
キッチンハイターは水筒にも使える?
キッチンハイターは水筒の消毒にも使うことができます。
プラスチック製のものは、表示に記載された時間・濃度を正しく守ってください。
ステンレス製の水筒でシリコンのパッキンがついているものの場合。
シリコン部分もハイターを使うことはできます。
ステンレスの部分に関しては、
花王のQ&Aコーナーには
Q、「キッチンハイター」は金属製のざるや包丁の除菌に使えるの?
[キッチンハイター]はつけおき漂白タイプなので、サビが発生することがあり、お使いいただけません。
[キッチン泡ハイター]はスプレーして2~5分で洗い流すタイプなので、ステンレス製品に限り、お使いいただけます。ただし、液がついたまま放置するとサビの原因になりますので、使用後はよく洗い流してください。(ステンレスを除く金属製品にはお使いいただけません)
と書いてあります。
泡のものは使用できるようですが
ステンレスも長時間のつけ置きはハイターの成分によって腐食されてしまうことがあります。
使用の際は表示の時間内にしましょう。
キッチンハイターの成分表
キッチンハイターの成分をみてみましょう。
花王のサイトに記載されている
キッチンハイターに含まれている成分として
・次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)
・界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)
・水酸化ナトリウム(アルカリ剤)
があります。
次亜塩素酸ナトリウムは「塩素」と呼ばれる成分です。
水道やプールの消毒にも使われる成分で、漂白作用があります。
常温でも徐々に分解され、乾燥すると蒸発してしまいます。
界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)
は、汚れと結びつく成分です。
石鹸や洗剤にも含まれていて、汚れと結びついて、表面から汚れが落ちやすくなる性質があります。
水酸化ナトリウム(アルカリ剤)
水酸化ナトリウムはアルカリ性の成分です。
次亜塩素酸ナトリウムが産生の状態では塩素ガスを発生するために、アルカリ性の成分を加えています。
水酸化ナトリウムには強いタンパク変成作用があり、手についたり目に入ったりすると危険です。手についた場合はすぐに洗い流しましょう。
塩素系漂白剤は酸性の漂白剤や洗剤と混ぜると、「塩素ガス」というガスが発生します。
塩素ガスは危険なガスで、目やのど、呼吸器などに痛みや刺激をもたらしたり、中毒症状などを生じる危険がありますので、
絶対に混ぜないようにしましょう。
もし混ぜなかったとしてもしっかりと換気をして使用してください。
キッチンハイターの使い方の注意点
使用上の注意
以下の注意は、本当に気を付けましょう。
・原液で使わない。
・熱湯で使わない。
・容器を強く持ってキャップを開けると原液が飛び出すおそれがあるので注意する。
・液が目や皮ふ、衣類につかないよう注意する。
・使用する時は炊事用手袋を使う。
・他の洗剤等と併用しない。
・酸性タイプの製品や塩素系の排水口ヌメリ取り剤・生ごみ・食酢・アルコールと混ざらないようにする。
原液で使わない。
原液で使うと濃度が濃すぎるため、材質が変性したり、コーティングがはげたりすることがあります。
液が目や皮ふ、衣類につかないよう注意 使用する時は炊事用手袋を使う
素手で使ってしまって手についた場合はよく洗い流しましょう。
もし万一目に入った時は、角膜がダメージを受けて、失明などのおそれがあります。こすらずに、すぐに水道水でよいので流水で15分以上洗い流しましょう。
痛みや異常がなくても直後に必ず眼科医に受診しましょう。
自己判断で目薬(点眼薬)は使用することは避けましょう。
他の洗剤等と併用しない
酸性タイプの製品や塩素系の排水口ヌメリ取り剤・生ごみ・食酢・アルコールと混ざらないようにする。有害なガスが発生して危険。
うっかりやってしまいがちですが、
アルコール系の消毒剤やお酢、他の洗剤を使ってもきれいにならない。
じゃあ漂白剤を使おう、と
次に漂白をするのは・・・
NGです!
アルコールや他の洗剤の成分が残った状態で漂白剤を上から使うことも
混ぜていることと同じです。
台所で漂白剤を使用していると
「何となく塩素くさい」
というレベルの臭いを感じることはありますが、
それとは比べ物にならないほどの塩素臭がしたときは非常に危険です。
さらに、目やのどにピリピリする感じ、違和感を感じたときはその場を離れる、窓を開けたり換気扇を回すなど換気をしましょう。
小さいお子さんや、高齢者・持病のある方などと同居されている場合は
塩素ガスに対する反応が強く出てしまうことがあります。
「お掃除のつもり」で塩素系漂白剤を使う場合は
・濃度に注意する
・他の洗剤や消毒薬を使った後は完全に洗い流してから使う
・同じ空間にいる人に配慮する
ようにしましょう。
市販の漂白剤の80倍の効果がある次亜塩素酸水「ビージア」についてはこちらの記事に記載しています。

家族が持ってきてくれたのですが非常に感動したのでまとめています。
まとめ
キッチンハイターの使い方を、食器での使用例と共にご紹介しました。
重曹の方が安全に使いやすいですが、つけ置きだけでピカピカになるのでありがたい存在。
使用上の注意をよく守って、安全に使用してくださいね。
重曹を使った茶渋の落とし方についてはこちらにまとめています。

あわせてお読みいただければ幸いです。