最近「EQ2.0」という本の存在を知りました。
EQはビジネスや対人関係など社会での成功などに関係していると研究から明らかになっており、仕事の上だけでなく家庭生活など「幸せになるために必要な力」といえます。
今回はEQについてまとめました。
EQとは?
EQは「感情知能」とも呼ばれています。
Emotional Quotient Inventory、日本では「EQ」や「EI」といった略称で呼ばれています。
物事を判断する力、自分や他人の感情に気づいたり、理解し、表現する力です。
EQが高い人・低い人の特徴
さまざまな研究により、EQが高い人の特徴として次のようなものが挙げられています。
・他人への共感能力が高い
・他人と良い関係を築くことができる
・ストレスに対する耐性が強い
・学業などでよい成績をおさめることができる
一方、EQが低い場合、精神疾患(うつなど)や薬物中毒、学校の中退・落第と言った傾向がみられるとされています。
EQの測り方
EQの測定方法として、研究などで使用されているものはBar-On氏のEQ-iです。
これは133の質問からに対し、5段階の答え(非常によくあてはまる~全く当てはまらない)をし、測定します。
EQテストで調べることとして以下のようなものがあります。
・自分の感情を自分で理解していること
・自尊感情
・自立性
・共感力
・自己主張する力
・社会的な責任能力
・他人との関係性
・柔軟性
・現実を読み取る力
・情動をおさえる力
・問題解決能力
・楽観主義
・幸福度
などです。
EQを高める方法
EQには上述のような様々な要素が含まれています。
そのため、一口にEQを高めるといっても「自分にとって伸ばす必要のある要素を知り、その部分を伸ばす」という対応になるでしょう。
以下に、項目ごとに対処の例を示します。
自分の感情を自分で理解していない
自分が怒っているのか、喜んでいるのか。
自分自身の感情は自分でも理解が難しいことがあります。
自分自身を振り返る能力が低いのであれば、自分の気持ちを見つめることを習慣にしてみましょう。
時には自分自身の痛みに目を向けたくないこともあるかもしれません。
自分自身に、傷つきやすい部分もあるということを受けれてあげましょう。
周りの空気が読めない、相手の気持ちがわからない
周囲の状況や他人の考えを読み取る力が弱いのであれば、他の人に自分の考えが正しいかどう思うかを尋ねてみましょう。
共感力、すなわち他人の気持ちや感情を読み取る能力が低いのであれば、自分の考えていることや感じていることをどう思うかを尋ねてみましょう。
信頼のできる人にはっきり指摘してもらうのも、意外な発見が得られることもあります。
「毎日ありがとうを10回言うようにしましょう」というアドバイスを見たこともありますが、本当に心から感謝するのでなければ、ただありがとうと口にしても意味はありません。
考えて行動する能力が低い
自分自身の考えをまとめるのが苦手であれば、一人でじっくりと考える習慣を身につけましょう。
問題解決能力が低いのであれば、解決策を複数用意しておくようにしましょう。
何が問題なのかを紙に書き出してまとめると整理しやすくなります。
現状の問題点、それを解決するのに必要な要素(情報、手段、他人の支援など)をリストアップし、可能な対策を列挙してみましょう。
時には新しいことにチャレンジしてみるのもかまいません。
そして実践し、結果を評価して次に生かすことが大切です。
自尊感情が低い・自己主張が弱い
自尊感情が低いのであれば、自分には価値がある、もっと大切にされてもいいのだということ認識しましょう。
自己主張が低ければ物事に優先順位をつけるようにしてみましょう。
自分にとって、また周囲の状況にとって何が優先されるべきなのかを見つめると、自分が主張してよいのか理解する助けになります。
責任感が低い
責任感が弱いのであれば、自分自身の責任というものを一度はっきり確かめましょう。
EQは年齢との相関が強く、50歳くらいまでは上昇するといわれています。
年齢が低すぎる、社会の中での経験が足りないのであれば、ほかの人に頼ってみるのも一つの手です。
ほかの人に積極的にかかわったり、何かをしてもらうことで、他人との関係の中で自分が生きているということを見つめるきっかけになるかもしれません。
EQを高めるトレーニングにより、問題解決応力の改善などのメリットが報告されています。
EQ測定は、EQ2.0というこちらの書籍を購入すると、シリアルナンバーから測定することができます。
1回目の結果を踏まえて、期間をおいて次の検査を受けると、EQの変化を見ることもできます。
まとめ
EQの測り方や高め方についてまとめました。
社会生活を送るうえで欠かせない要素ばかりですが、自分で高めようと思ってもなかなか難しいですよね。
毎日の少しずつの積み重ねが大切なのだろう、と思っています。
参考文献:Iran J Nurs Midwifery Res. 2014 Mar-Apr; 19(2): 203–207.
J Educ Health Promot. 2018 Dec 28;7:156.