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フィンランドに学ぶ対話術

フィンランドに学ぶ対話術 1教養
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「不都合な相手と話す技術」

北川達夫 東洋経済新聞社

フィンランドの外務省駐在経験のある著者によるフィンランド式の、対話の考え方や方法についての本です。
『週刊東洋経済』の連載を再構成して書籍化したものです。
話し方、自己表現の仕方について学びたいと思ったので今回こちらの本を読みました。
学んだことを以下にまとめます。

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対話術の学び方

対話術の学び方の例として、中国では古典に学ぶという方法が取り上げられていました。
中国では長い歴史の中で膨大な書物があります。
孔子や荘子などの古典から自分の意見を述べる方法は、古典を学ぶ上で参考になりました。
人と自分は違うのだというスタンスに立って対話すること。
そもそも分かり合えないものだという前提で対話することは意識していないと、つい「わかりあおう」と頑張りすぎてしまう場合には有効だと思いました。

みんなは意外と正しい

「集合知」という考え方があり、多くの人が推論したものが実際の正解と非常に近い回答であったというケースが取り上げられています。
「みんな」なんていないんだ、という考え方はありますが、多くの人の考えることは意外と真実に近いということに納得してしまいました。
AI,ビッグデータ解析の技術の発展により、多くの集合知がまとめられていく流れです。
自分の考えが多数派と沿ったものであることに安心感を抱く人もいるかと思います。
定義の難しい「正しいこと」に対し、根拠を明示できる材料が増えると、また考え方も変わるように思いました。
もちろん少数派の意見を尊重する姿勢は大切にしたいですね。

フィンランドに学ぶ対話術 2

自分らしさを活かすには

インターネット検索で、調べれば大抵の情報が簡単に手に入ってしまう現在では、知識を所有しているだけではなく、情報をいかに活用するかという能力が重要になってきています。
対話術の場面では、自分の持っている知識や経験に基づいて、ある程度自分なりのスタイルというものが出来上がってきます。
しかし、その自分のスタイルでは時にうまくいかない場合もあります。
うまくいかなかった場合、何が良くなかったか、どのように改善すれば良いかをすり合わせることで対話の技術が習得できるとされています。

日本人は自己開示が好き

この本の中では「日本人は伝統的にありのままの姿をありのままに表現する」ことを重要視してきたとされています。
わびさびやもののあわれといった、自然に移り変わりゆく姿に風情を感じる情緒は、確かに古くからある考え方の一つです。
対人関係においても、自己演出を行わないことで相手を惹きつけるという手法が奏功する場合もあります。

ただし、対話の上では自分の意見が必ずしも自分自身と一致しない場合もあります。
そのため、本来の自分と自分の主張を切り離す必要も時にはあります。
そのような場合は、自分を効果的に演出する必要があります。

例えば政治家の演説では著名な演出家が演出を行う場合もあります。
大統領の就任演説でも、優秀なライターさんが原稿を書いているケースもあるようです。

先日たまたまあるデザイン会社がプロデュースしたカフェやショップをホームページで目にしましたが、いずれも魅力的に演出された空間となっており、いってみたいと思いました。

ありのままの姿を見せることが最善ではない、必要に応じて最適なものを演出する、という姿勢を無理なく身につけられると良いと思いました。

日本人は劣等感から入る傾向がある

他人と自分との間に違いを見つけた時、日本人は「自分の方が劣っている」と考えてしまう傾向があると分析されていたことは驚きでした。
私も他人を見た時に、無意識に「あれもできていない、これもできていない」と自分に足りないもの探しばかりをしてしまっていたと改めて気づかされました。
けれど、優劣比較なのではなく、「ただ違うだけのこと」と受け止めれば、余計な焦りや悩みが軽くなるように思いました。

秀逸だったのはフィンランドの例です。
OECDでの学力テストで数年にわたり学力上位の成績を示したことで有名になりました。
しかし、そんなフィンランドの教育は決して理想郷ではなく「落第者もテストも宿題もないわけではない」という言葉に、実際に現地で生活し、教育を見た著者の重みが感じられました。
良いところだけを見てパッチワークのように取り入れ、つなぎ合わせても一本芯の通ったものにならないこともあります。
子育てをする上では、自分なりの考え方の軸を大切にしていきたいと思いました。

なぜ?を大切にするフィンランドの教育

フィンランドの教育の有効な部分として疑問を問いかける教育が最後に述べられていました。

これは問題に対して「なぜ?なぜ?」で埋め尽くす方法です。

例えば、あるひとつの出来事に対し
「なぜそれをしたのか」
「なぜそれは起きたのか」
「なぜその数値になったのか」
「なぜそれが良くないのか」
「なぜそれはその時間であったのか」
「なぜそれはその場所であったのか」
という問いを次々に作るというものです。

子供はよく
「どうして〜なの?」と質問をしますが、それを育てていく姿勢が、このような考え方に繋がるかもしれません。

まとめ

外務省勤務というと、ある意味公的な立場から外国の人とやりとりをする必要がある職業だと思います。
そのような背景において日本人としての自分の表現の仕方やどのように対話を行っていけば効果的か、という内容についてまとめられていました。
海外の相手に限らず、日常の生活、例えば家族との関係でも自然に使えるように落とし込んでいけると有効だと思いました。

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