論語と算盤の意味 孔子の教えと渋沢栄一の名言

論語と算盤の意味 孔子の教えと渋沢栄一の名言 1ことば

新しい一万円札の肖像画が渋沢栄一となることが発表されました。
渋沢栄一はどのような人物であったのか、彼のモットーとして知られる「論語と算盤」という言葉の由来や彼の名言について調べました。
今回は彼が論語について講義を行った「論語講義」の現代語訳のレビューと共に、なぜ彼が肖像画に選ばれたのか現在の日本の状況と共に考えてみたいと思います。

渋沢栄一の「論語講義」守屋淳 平凡社

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本の概要

渋沢栄一と論語

渋沢栄一は孔子の言行録である「論語」の教えを規範とし、研究を続けていました。
日常生活や実務においても「論語」の精神に基づいて判断、行動を行っていました。
渋沢翁が晩年に「論語」について講話をおこなったものをまとめた著作が「論語講義」です。
論語を専門に研究している「学者」ではなく、ビジネス、経済人としての視点から読み解かれており、また独自の見解も加えられています。
その「論語講義」全7巻から読みどころを選りすぐって訳出した本が「渋沢栄一の論語講義」です。
要所要所に儒教系の用語や論語についての知識、中国の歴史文化など要所に筆者による解説もあり、大変読みやすい本です。
以下の引用は本書からの引用となります。

「論語と算盤」の意味

論語と算盤という言葉はどこに出てくるか

渋沢栄一は「論語と算盤」「道徳経済合一説」といったモットーで知られています。
この論語と算盤という言葉は本書の76,77ページの一説にあります。
「論語」の中の里仁第四の5に
”富と貴きとはこれ人の欲する所なり。その道をもってこれを得ざればおらざるなり。貧しきといやしきとはこれ人の悪むところなり。その道を持ってこれをえざれば、さらざるなり”
という言葉があります。

この意味は

人間であるからには誰でも財産や地位のある生活を手に入れたいと思う。だが、真っ当な生き方をして手に入れたものでないならしがみつくべきではない。逆に貧乏で卑しい生活は誰しも嫌うところだ。だが、真っ当な生き方をしないで落ち込んだものなら無理に這い上がろうとしてはならない

ということです 。

 

孔子の教えの解釈

この一節の講義として渋沢は次のように述べています。

財産と地位を手にするための真っ当な道は、学問を学び、成果を出し、自分を磨いて、道徳を身につけること。財産と地位そのものは若い人が是非求めるべきもの。しかしこれを獲得する手段や方法については慎重でなければいけないというのが孔子の考えであろうと思われる。

地位を求めてはいけない、という思想は孔子の思想ではなく、同じ中国でも老荘思想のものです。
孔子自身も若い時は士官の道を求めて複数の国を転々としていました。
そのため、正当な手段により地位を得ることはむしろ推奨していたのではないかと渋沢栄一は考えたのでしょう。

また、渋沢は多くの人が
「財産と地位は悪い人間が求めるもので、これを獲得するには道に外れた手段を使う必要がある」
「立派な人間は財産と地位には近づかない」
と考えていると指摘しています。
その原因として次のように述べています。

「かつては正しい道徳を教える人と、これを実践する人とが同一人物であった」

孔子以前の古代の中国では政治と教育が分業になっておらず、教育者が実践する人でもあり、 教えることを実行していました。
その時代は「仁」と「富」とが調和し、みんなの利益と自分の利益も一致していました。
ところが時代が移り事情も変わり、実践する人と教える人が分業となってしまいました。
実践する人(実務家)は道徳を念頭に置かず、道徳を教える人は実生活を考慮しないようになり、道徳と金儲け(財産を作ること)の間に深い溝ができてしまった、としています。

「そろばんを手にとって財産を得ようとすることは、決して悪いことではない。しかしそろばんの基礎を社会正義のための道徳の上に置かなければならない。」
「私は実業に従事してから50年、少しもこの信念から離れなかった。」
「片手に論語、片手にそろばんをかざしながら今日に及んだのである。」
と述べています。

(注:論語の中で触れられている古代の中国は、中国の伝説の時代の皇帝、堯や舜から 殷や周王朝の時代です。)

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渋沢栄一の名言

本書にはそのほかにも多くの渋沢栄一の名言が掲載されています。

・今は言論を尊重する世の中だが、言論と同時に言論の責任を是非尊重してほしい

この言葉は現代も当てはまるものですね。

お金と政治、国家についても

・倹約と言ってもただ単に物を節約とする消極的一方だけではよろしくない。経費を節約することはもちろん必要であるが、同時に国家として重要な意義を有する各種事業に対しては、おおいに積極的でなければならない。
・貯蓄は美徳だが単なるケチは美徳ではない。
・人はまず自分が豊かにならなければ広く人々に施して民衆を救うことができない。

としています。

社会についても

・人間本来の姿というのは善なのだろう
・貧乏になっても全く気にせず社会での役割分担に満足すること
・人は財産や地位を超越して人のために考え行動する意思がなくてはならない。
・私は社会事業のために力を尽くすのを何よりの楽しみとしている。人に頼まれた義理や世間の評判を取るくらいのことではとてもやれるものではない。

理想の人物像として

・知恵がある人でその上になお八つ当たりをしなかったり、同じ過ちを繰り返さない美徳を備えていたなら、世間からどれほど尊敬されるか分からない
・人の心の働きと外側の行為の間で調整しあい、どちらか極端に走るのを抑制できれば円満な常識に溢れた人物になる。

生き方についても

・世の中はすべて他人を立てねば自分が立って行けるものではない
・伝統の信じるべきは信じ、新しいものを作り出す(ことは大いに尊い)

教育・家庭についても

・詰め込み教育になってしまえば人は自分で考え理解するということが全くなくなってしまう。
・家庭内の私的なことでも自分の思うようにならない事が随分あるものだ。ひとつの家族をまるまる自分の思う通りにしてしまおうとしてもそれは不可能だと思えば別にそれが苦痛ともならず仕事を楽しみにして走り回っていればいつしか憂いを忘れてしまう。

など、現代も決して色あせることのない珠玉の名言が詰まっています。

まとめ

論語講義についてのレビューと共に渋沢栄一の考え方について学びました。
読みやすい書籍ですので、論語についての解説書をお探しの方は読みごたえがあると思います。

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