齟齬という言葉の意味と使い方、英語表現、ビジネスでの言い換えについてです。
齟齬の意味と使い方
「物事がくいちがって、意図した通りに進まないこと。また、そのくいちがい。 」
という意味です。
「二人の話に齟齬がある」=話が食い違っている
「内容に齟齬をきたす」=内容に食い違う点(矛盾)がある
という意味です。
齟齬の「齟」という文字は「かむ」「食い違う」という意味があります。
右側の「且」という部首には「並列」「同時進行」という意味があり、
歯がきれいに並んでいないとかみ合わせが悪い様子が伝わりますね。
「齬」にも「食い違う、かみ合わない」という意味があります。
齟齬の類語
「齟齬」の類語として
矛盾、矛盾撞着(むじゅんどうちゃく) 、背反(はいはん)
という言葉があります。
さらに詳しく意味別に類語を見てみましょう。
違いが生じて重なり合わなくなる
上下の歯がうまく重ならない様子から
ずれる、かみ合わない、食い違う
また、「齟齬が生じる」「齟齬が生まれる」といった言い方もできます。
人や物の関係にずれが生じ、うまくいかなくなること
さらに、人間や物同士の関係に言及することもあります。
人間関係では「軋轢が生じる ・ 摩擦が生じる」「ずれが生じる」「すれ違いがある」
「一致しない・不一致だ」「かみ合わない」「しっくりこない」という表現をします。
日常的な言い方では
「ギスギス」「ギクシャク」「ズレている」
という表現もしっくりきますね。
想定外の事態になる
また、人間や物だけでなく「事態」に対しても使うことができます。
「齟齬が生じる」の言い換え表現として
「予想外の事態になる」「期待が外れる・当てが外れる」
「予想が外れる」
や「思わぬ事態になる」「思わぬ方向に展開する」「予想外の展開になる」
といった表現もできます。
齟齬のビジネスでの言い換えと例文
仕事やビジネスの場での言い換え表現を見てみましょう。
人間関係では
・行き違いが生じる、食い違いが生じる
・ずれが生じる
事態に関しては
・思惑が外れる、見通しが狂う
・想定していた事態から計画が狂う
・計算違い・誤算が生じる
・予想がはずれる・当てが外れる
・読み違える
といった言い換え表現が使えます。
齟齬の英語表現
「齟齬」の食い違い、行き違いという意味にも、
人間関係の違いなのか、事態の違いなのか、
その程度は些細なものなのか、重大なものなのか、といった
場面やニュアンスの違いがありますね。
英語の例文
かれらの間には食い違いがある。
There’s a discrepancy between them.
彼女と私の意見にはささいな食い違いがある。
There is a subtle difference between her opinion and mine.
私の両親の意見には大きな食い違いがあった。
There was a great gap between my parents.
disagreementであれば「意見の食い違い」程度ですが
conflictでは「いさかい、争い」といったニュアンスに。
まとめ
「齟齬」という言葉の意味や使い方、ビジネスシーンでの使い方の例文、英語表現についてまとめました。
かみ合わないとすっきりしないものですね。