労災と働き方、ストレスの関係 知っておきたいリスク要因

労災と働き方、ストレスの関係 知っておきたいリスク要因 1健康

近年、いわゆるブラック企業などでの労働による心身への健康問題が取り上げられています。
人手不足もあり、一人への労働時間や業務内容での負担が重くなってしまう現場もあるでしょう。
しかし、仕事のストレスの蓄積により、脳や心臓といった体の大切な部分に健康被害をきたしてしまうリスクがあります。
これらの病気は自覚症状がないままに進行し、急激に発症することがあります。
発症した場合、最悪の場合は命を落とす危険もあります。
助かったとしてもリハビリテーションや社会的支援を要する状態となり、社会復帰が難しい状態となってしまうケースも。
今回は、仕事による脳・心臓疾患と労災との関係についてまとめました。

なお、最新の事例や法律関係に関しては関連の正式な発表をご参照ください。

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脳・心臓疾患は労災として認定されることがあります

脳血管障害には、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などがあります。
心臓病のうち、虚血性心疾患には心筋梗塞・狭心症があり、そのほか心停止や大動脈解離などが含まれます。
これらの血管病は、長年の生活の中で、遺伝的要素に加え、食事、運動、喫煙などの生活習慣などにより進行・発症していく病気です。
しかし、仕事による過重負荷(ストレス)が悪影響を及ぼすことがあります。
この場合労災と認められることがあります。

労災と認定されるためには

認定のためには「業務による明らかな過重負荷」があったと認められることが必要です。

過重負荷とは、
「もともと本人が持っていた血管病変や基礎的な病態を、日常生活の中で自然に経過するよりも著しく悪化させうること」が客観的に認められる負荷のことです。

すなわち、業務によるストレスが病気の悪化に影響していたと認定される必要があります

脳・心臓疾患が労災として認定されるには次の要件を満たす必要があります。

1異常な出来事

発症直前から前日までの間に精神的・肉体的に強い負荷を与える出来事があった場合があります。
例えば業務に関連した重大な事故により、著しい精神的または身体的負荷を受けた場合などが考えられます。
また、作業環境の変化として極めて暑い環境での作業や温度差のある場所への頻回な出入りなどが考えられます。
これらの要因が著しい過重負荷として認められるかは客観的かつ総合的に判断する必要があります。

2短期間の過重業務

発症前のおおむね1週間の間に、日常業務に比較して特に過重な身体的、精神的負荷を生じさせたと客観的かつ総合的に認められる必要があります。
具体的な負荷の要因として、労働時間や不規則勤務、長い拘束時間や作業環境、精神的緊張などが挙げられます。

3長期間の過重業務

発症前のおおむね6ヶ月間に長時間労働などの負荷が長期間にわたって加わり疲労の蓄積が生じた場合、脳・心臓疾患を発症させることがあります。
発症との関連性において業務の過重性を評価するにあたっては、発症時における疲労の蓄積がどの程度であったかという観点から判断します。
労働時間の評価の目安として、発症前約1ヶ月間におおむね100時間または発症前2〜6ヶ月間平均で、1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合には、業務と発症との関連性が高いと評価することができます。

労働時間以外のストレスの原因

労働時間以外にも、以下に挙げたようなものが過重負荷の原因として考えられています。

(1) 不規則な勤務

予定されていた業務のスケジュールを頻繁もしくは大幅に変更しなければいけない場合には作業とともにストレスが発生します。またそれが事前に知らされていたか、予測可能であったかなども関係してきます。

(2) 拘束時間の長い勤務

拘束時間数や実労働時間数に加え、業務内容や休憩・仮眠の状況などの負荷も評価の対象となります。

(3) 出張の多い業務

出張中の業務内容や頻度、移動の手段や宿泊の有無、出張中の休憩・休息の状況、疲労の回復状況などを評価します。

(4) 交替制勤務、深夜勤務

勤務と次の勤務までの時間や深夜時間帯の勤務の頻度などを評価します。

(5) 作業環境(温度環境、騒音、時差)

寒冷の程度や温度差がある場所への出入りの頻度が挙げられます。
騒音としてはおおむね80dB(デシベル)を超える騒音の程度、その暴露時間や期間、防音保護具の着用状況が挙げられます。
時差は5時間を超える時差の程度や時差を伴う移動の頻度を評価の対象とします。

(6) 精神的緊張(心理的緊張)を伴う業務

日常的に精神的緊張を伴う業務の場合は業務量や就労期間、適応能力や企業の支援などが評価の対象となります。
発症に近接した時期における精神的緊張を伴う業務に関する出来事の場合は、その出来事の大きさや損害の程度などを評価の対象とします。

日常的に精神的緊張を伴う業務とは

具体的には、次のような業務が挙げられます。

常に自分あるいは他人の生命、財産が脅かされる危険性を有する業務
・危険回避責任がある業務
・人命や人の一生を左右しかねない重大な判断や処置が求められる業務
・極めて危険な物質を取り扱う業務
・会社に多大な損失をもたらし得るような重大な責任のある業務

医療従事者や旅客業・運輸業などの運転業務、資産運用など金融業など多くの業務が当てはまる項目ですね。
またそのほかにも

・過大なノルマがある業務
ノルマの内容、困難性・強制性、ペナルティの有無などを評価します。
・決められた時間(納期限)どおりに遂行しなければならないような困難な業務
阻害要因の大きさ、達成の困難性、ペナルティの有無、納期等の変更の可能性などを評価します。
・顧客との大きなトラブルや複雑な労使紛争の処理等を担当する業務
顧客の位置付け、損害の程度、労使紛争の解決の困難性などを評価します。
・周囲の理解や支援のない状況下での困難な業務
業務の困難度、社内での立場などを評価します。
・複雑困難な新規事業、会社の建て直しを担当する業務
プロジェクト内での立場、実行の困難性などを評価します。

どの会社にも顧客とのトラブルなどの処理担当者はいることでしょう。
また新人や異動などで配属が変わった時も、相対的にノルマや業務を達成するスキルが不十分であるため困難になることがありますね。

まとめ

長時間労働では知らない間にストレスが溜まっている可能性があります。
特に、月の残業時間が45時間を超えて長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると言われています。
また、時間以外にも様々な要因で心身に過重負荷となることがあります。
世間的に多くの人が従事する職種で誰にでも起こりうる事態で過重労働となってしまうリスクがあります。
あてはまる項目があれば、一度ご自身の働き方を見直し、大切な体の健康について考えてみる機会としてください。

なお、個別の事例に関しては専門家にご相談ください。
各地域には産業保健センターなどが設置されており、
相談窓口なども開設されています。

厚労省のサイト(こころの耳)もご参照下さい。

労災と働き方、ストレスの関係 知っておきたいリスク要因 2
こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
メンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」(過労死・うつ病・自殺予防、職場復帰、パワハラ・セクハラ対策)あなたの悩みに耳を傾けてくれる専門の相談機関があります。一人で悩まずに客観的な意見を取り入れ、問題解決に向けて第一歩を踏み出してみませんか。

 

参考:「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会」の検討結果(方針)について

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-11.pdf

 

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