調べ物をしていて「言わずもがな」という言葉が目にとまりました。
日本の古語から由来する表現ですが、日常では使う場面も減ってきているように思います。
今回はそんな「言わずもがな」と、それに近い「言うまでもなく」という言葉の意味や由来、使い方、英語での言い換えなどについて調べまとめました。
「言わずもがな」の意味や由来は?
「言わずもがな」の意味は大辞林によると2通りの意味があります。
1 言う必要のないこと。むしろ言わない方がよいこと。
2言うまでもないこと。もちろん。
「もがな」というのは願望・希望をあらわす古語です。
「~したい」「~であればいいなあ」という意味です。
「言わ」+「ず」+「もがな」で
「(そんなことは)言いたくない」。
そこから
「言うまでもない」
「いう必要がない」
という使い方となりました。
「言うまでもない」は「わざわざ言う必要もないこと」「もちろん」「当然」などの意味です。
「言わずと知れた」という表現も同様の意味です。
使い方の例文
ビジネスでの注意点は?
「言わずもがな」の例文として、次のような使い方があります。
「言わずもがなのことを言ってしまった」
「そんなことは大人は言わずもがな、子供でも知っている」(そんなことは言うまでもない=もちろん)
言わずもがなには2通りの意味があるため、使う際には相手の受け取め方に注意した方が良いでしょう。
というのも、単に「わざわざ言う必要もないことですが」という意味なのか「言わなきゃよかったのにね」と非難めいた雰囲気で受け止められるかで、印象は変わってしまうからです。
ビジネスや敬語表現などでは「言うまでもない」の意味を表す言い方として
「言わずもがなのことですが、~していただければ幸いです。」
「言わずもがなのことを申し上げるので恐縮ですが」
など、丁寧語や謙譲語を使えば敬語として使うことはできます。
ただ、あえて
「それは言わずもがななことです」と使うよりはむしろ
「あえて申し上げるほどのことではありませんが」と言い換えた方がスマートで意味も通じやすい場合もあります。
「それは言わなくてもよかったんじゃないの」と上から目線で物申すような雰囲気で受け取られる可能性もあるので、目上の人に対して使用する際は注意した方が良いと思います。
英語での言い換え表現
「言うまでもなく」という意味の表現は英語では
”needless to say”
や
「明らか」という意味で
”apparent”
という表現が近いですね。
”Needless to say, because of the accident he won’t be at work for a while.”
いうまでもなく、彼は事故でしばらく働けないだろう。(cambridge dictionaryより)
このほかの例文としては
It goes without saying that~.
It is obvious that~.
いずれも
「それは言うまでもないことだ」
という意味です。
言わなくてもいいこと、という意味の場合は
”I should not have said that.”
(言わなくてもいいことをいってしまった、あんなこと言わなきゃよかった。)
と言った表現があります。
まとめ
言わずもがなという言葉の意味や由来、使い方、英語での言い換えなどについてまとめました。
日常何気なく使用している言葉も日本の古語からの歴史を伝えていると考えると、言葉を丁寧に使用したいと思いますね。