同一労働同一賃金 ガイドライン,いつから?賞与は?図解で説明

同一労働同一賃金 ガイドライン,いつから?賞与は?図解で説明 1 健康
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同一労働同一賃金ガイドラインが策定され、平成 30 年 12 月 28 日 発表されました。
今回はこのガイドラインについて読み解いてみたいと思います。

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同一労働同一賃金 ガイドラインとは

正式名称は「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁 止等に関する指針」といいます。
(全文はPDF31にわたります。https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000469932.pdf

概要としてまとめたページはhttps://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000470304.pdfです)

内容は”通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間に待遇の相違が存在する場合に、いかなる待遇の相違が不合理と認められるものであり、いかなる待遇の相違が不合理と認められるものでないのか等の原則となる考え方及び具体例を示したもの”です。

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ガイドラインの目的は

ガイドラインの目的は”職業能力取得による生産性の向上と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者の待遇の改善、多様な働き方を自由に選択できるようにし、「非正規」という言葉を一掃すること”
とされています。

平成29年度の時点で日本の非正規雇用労働者は約2036万人と雇用者全体の37.3%を占めます。
内訳はパート、アルバイト、契約社員、嘱託 などです。

文中の用語も「正規」「非正規」雇用ではなく「通常の労働者」「短時間・有期雇用労働者」という分け方となっています。

非正規雇用の問題点

非正規雇用労働者は正規雇用労働者に比べ賃金が低い傾向にあります。
厚労省の資料では一般労働者の平均賃金は正社員・正職員の1937円に対し短時間労働者は1293円、短時間労働者でも1432円と1081円という賃金の差があります。
事業所による教育訓練の機会も、正社員以外では正社員の約半数にとどまっており
・賃金が安い
・教育訓練の機会が少ない
といった問題点があります。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000120286.pdf

そのため、ガイドラインの目的は「パートやアルバイトでも通常の労働者と同様に雇用し職業能力習得の機会を与えることで働くことにやりがいを持ち生産性も高まる」という趣旨のようです。

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同一労働同一賃金はいつから?

2019 年(令和2年)4月1日から適用です。
ただし、中小事業主については、短時間・有期雇用労働 者に係る規定は、2020 年(令和3年)4月1日から適用です。

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パート・アルバイト、再雇用や嘱託にも適用されるの?

パート・アルバイトだけでなく、定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者についても、短時間・有期雇用労働法の適用を受けます。
このため、再雇用・嘱託であっても不合理な待遇差は問題となります。
ただし“通常の労働者と定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者との間の賃金の相違については、実際に両者の間に職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情の相違がある場合は、その相違に応じた賃金の相違は許容される。”
とされています。

また、

”事業主は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間で職務の内容等を分離した場合であっても、当該通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違の解消等を行う必要がある。”

ため、待遇に違いがあっても合理的な理由があれば問題とはなりません。
どのような事例が問題で、どうであればそうでないかということも具体的に解説されています。

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給与・手当の考え方は?

本文中では”基本給であって、労働者の業績又は成果に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の業績又は成果を有する短時間・有期雇用労働者には、業績又は成果に応じた部分につき、通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。また、業績又は成果に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた基本給を支給しなければならない。なお、基本給とは別に、労働者の業績又は成果に応じた手当を支給する場合も同様である。“とされています。

つまり、不合理な格差は認められません。

特殊作業や特殊勤務手当、時間外労働、通勤手当、食事手当、単身赴任、地域手当に関しては”通常の労働者と同一の勤務形態で業務に従事する短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一“の手当を支給しなければなりません。

ただし、個々の採用や労働条件により問題となる場合、ならない場合があります。

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賞与は?パートの賞与は?

短時間・有期雇用労働者の賞与は”基本給、賞与、各種手当等の賃金に相違がある場合において、その要因として通常の労働者と短時間・有期雇用労働者の賃金の決定基準・ルールの相違があるときは、(中略)不合理と認められるものであってはならない。”

”賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならない。また、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。”とされています。

要約すると“不合理に差をつけるべきではない””業績に対する評価をすること”ということが明言されたものです。

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問題となる事例、ならない事例

具体例について図解し、まとめてみました。

(問題とならない例)

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基本給について、労働者の能力又は経験に応じて支給しているA社。

ある能力の向上のための特殊なキャリアコースを設定しています。

通常の労働者であるXさんはこのキャリアコースを選択し、その結果としてその能力を習得しました。短時間労働者であるYさんは、その能力を習得していません。A社は、その能力に応じた基本給をXには支給し、Yには支給していませんがこれは問題となりません。

 

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(問題となる例)

基本給について、労働者の能力又は経験に応じて支給しているA社。

通常の労働者であるXさんが有期雇用労働者Yさんに比べて多くの経験を有することを理由として、Xに対し、Yよりも基本給を高く支給しています。ただし、Xのこれまでの経験はXの現在の業務に関連性を持たない場合は問題となります。

 

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通常の労働者であるXさんは、短時間労働者であるYさんとA社で同様の業務に従事しています。Xさんは生産効率及び品質の目標値に対する責任を負っており、当該目標値を達成していない場合、待遇上の不利益を課されています。
その一方で、Yさんは、生産効率及び品質の目標値に対する責任を負っておらず、当該目標値を達成していない場合にも、待遇上の不利益を課されていません。
A社は、待遇上の不利益を課していることとの見合いに応じて、XにYに比べ基本給を高く支給していることは問題とはなりません。

 

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(問題とならない例)

手当の一部を、労働者の業績又は成果に応じて支給しているA社。通常の労働者Xさんよりも所定労働時間が半分の短時間労働者Yさんに対し、その販売実績が通常の労働者に設定されている販売目標の半分の数値に達した場合に通常の労働者が販売目標を達成した場合の半分を支給していることは問題とはなりません。

 

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(問題となる例)

基本給の一部について、労働者の業績又は成果に応じて支給しているA社。

通常の労働者Xさんは販売目標を達成した場合に支給されます。短時間労働者のYさんにXさんと同一の販売目標を設定し、それを達成しない場合には行っていないのは問題となります。

時間が半分なら目標も半分、支給額も半分、ということであればよいわけです。

基本的な考え方として事業者は通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との待遇に不合理と認められる相違を設けてはならないこととされています。

もちろん業務の内容や当該業務に伴う責任の程度などの事情、待遇の性質や目的を考慮する必要があります。

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問題点

正社員同士で給与差が生まれる可能性がある

同期や正社員同士での給与差が業務内容によって従来よりも大きくなる可能性があります。
労働内容は本人の意思、希望だけで決められるものではないので、正社員の不満足度が高くならないよう配慮が必要でしょう。

正社員の給与が下がる可能性がある

ガイドライン上は“事業主が通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違の解消等を行うに当たっては、基本的に、労使で合意することなく通常の労働者の待遇を引き下げることは、望ましい対応とはいえないことに留意すべき”とされています。しかし、企業の人件費には限りがあるため、総人件費の抑制のため正社員の賃金カットとなる可能性があります。

企業は職務内容を明文化する必要がある

労働者の雇用の際に「あなたの仕事はこれです。だから待遇はこうです」という契約を定める必要があります。多くの企業がそこまで対応できていないため、環境が整備されるまでに労力・コストを要します。

契約されていることしかやらない社員が増える?

「これは契約に含まれていませんから」といって仕事をしない人が増える、と頭を抱える職場もあるかもしれません。
業務上の権限や職務内容から、職場の掃除、電話にだれが出るかといったこともすべて文書で明文化する必要があると、「これ誰がやるの?」「私じゃないよ」と、業務のスピードが下がる可能性があります。
最終的に管理職やリーダー的スタッフが「すべてを片付ける」役に回されるかもしれません。

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まとめ

ガイドラインについて項目ごとに解説しました。
待遇の不合理な格差などの問題が是正されるのはメリットですが、現場での活用や人手不足などはまだ課題があると考えられます。
運用での成功例などの知見をもとに、労働状況が改善されればと思います。

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