近年人気の高まっているスパイス「花椒(ホワジャオ)」。
山椒と共に、辛みと独特のしびれが「くせになる」ホワジャオですが苦手な人も多いよう。
今回は花椒・山椒がしびれる理由・成分と治す・予防する方法についてまとめました。
花椒は苦手派とヤミツキ派がいる模様
最近人気上昇中の花椒。
「これはもう手放せない!」という人と
「ちょっと苦手・・・」
という人に分かれるようです。
twitterでの花椒の評価は
おうち中華の麻婆豆腐はもうコレ以外使えなくなったほど気に入ってる。花椒をピリリと効かせてね。#カルディ #黒麻婆豆腐 #花椒 pic.twitter.com/71tMdGN3Su
— KaoriONOUE@しゅうニャン市ネコ部^ↀᴥↀ^ (@musikaori) April 3, 2020
#おにぎり 🍙#花椒 #唐辛子 使用の #麻辣ふりかけ。あまり #辛くない 😂 pic.twitter.com/J9M69KV1kl
— 木村彩乃(辛党アナウンサー) (@9dBEuvIm1yLKoEI) March 31, 2020
花椒を使った製品も次々登場しており、人気の一方で
— 海老ちり子♪ (@7KE9m5PSKD1d8Ce) April 1, 2020
というつぶやきも。
独特の香りやしびれが苦手という人もいるようですね。
花椒がしびれる理由はなぜ?
花椒と山椒の違いとしびれ成分
花椒(かしょう・ホワジャオ)がしびれる理由は、ホアジャオに含まれている
「サンショオール」
という成分が、麻酔薬のような作用を持つためです。
花椒・山椒(サンショウ)のどちらも、分類上は同じミカン科サンショウ属の落葉低木です。
ただ、種類と産地が異なっており、
花椒は中国産、山椒は日本産のものです。
風味も若干異なり、スパイスとして使われる部分も異なります。
辛味がやや強く、しびれも山椒より強い。
山椒・・・日本の山椒の果皮(粉山椒)や花(花山椒)、果実(実山椒)、葉など様々な部位を使用。
柑橘系の香りがあり、辛味・しびれ共にマイルド。
中国の花椒・日本の山椒の皮のどちらにも「サンショオール(英語でもSanshool)」が含まれています。
花椒や山椒を食べると、「辛さ」と「しびれ」の両方を感じますよね。
サンショオールには「からさ」を感じる作用と、「しびれ」を感じる作用の両方があります。
辛さの成分と言えば唐辛子に含まれる「カプサイシン」。
「熱い」ともいえるような刺激のある辛さがカプサイシンの特徴です。
これはカプサイシンの受容体(刺激を感じる部分)が熱さを感じる部分と同じ部分のため。
一方、サンショオールの「辛味」を感じる強さは、トウガラシの辛み成分「カプサイシン」よりも弱いため、トウガラシよりも辛さの程度は弱いです。
また、しびれの成分は神経に対して麻酔薬と同じような働きをするため、山椒を食べると「ひりひり」「ジンジン」したしびれを感じます。
麻酔薬と同じようにカリウムチャネルに作用するため、というのがその理由です。
より詳しく知りたい、という方はこちらの文献が参考になります。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/46/1/46_1/_pdf)
サンショオールは辛味としびれの両方の働きがあり
トウガラシのカプサイシンよりも辛味は弱い。
しびれる理由は麻酔薬と同じように神経に対して作用するから。
中華料理では、いわゆる「熱さのようなの辛さ」を「辛(ラー)」、
びりびりと痺れる辛さを「麻(マー)」と2種類に区別しています。
ラーに当たるものは「カプサイシン」による辛み(熱さ)、
マーに当たるものは「サンショオール」によるしびれ(びりびり感)です。
花椒が苦手な人に!しびれを治す・しびれを予防する方法
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という言葉もあるように、
うっかりいっぱい入れてしまった、食べてしまった場合の対処法です。
花椒のしびれをとる・治す方法
山椒や花椒を食べて、しびれる場合。
温かいお茶や乳製品をとると口の中がまろやかになります。
ミルクなどは口の中に残った山椒・ホワジャオを洗い流してくれるのでお勧めです。
中華料理と一緒に食べる場合は、あんかけご飯などとろみの付いたご飯と食べると辛さが和らぎます。
温泉卵などをトッピングにしても。
花椒のしびれ成分を抜く方法
これから料理に使うという場合は、山椒を下茹ですると辛味が抜けます。
山地や時期、鮮度によっても下茹ででの抜け具合は異なりますので、1分毎くらいに数粒味見をしながらゆでていくとよいでしょう。
もちろん時間が長い方が辛味は抜けますが、香りも変わってしまいますので、お好みのタイミングで止めてくださいね。
また、数時間~一晩程度水につける、塩水や酢水でゆでるという方法もあります。
下茹でしたものは冷凍での保存もできます。
冷凍したり、ゆでてから少し時間を置くと風味も変わってきます。
また、砂糖やしょうゆ、昆布と一緒に煮て佃煮にしてもおいしいですよ。
花椒の次なるヒットになるか?
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山椒の効能は?漢方・薬膳と効果
山椒・花椒の漢方・薬膳での効能と効果
サンショウに属する植物から抽出した「ヒドロキシサンショオール」には
麻酔剤、消化管運動改善剤、記憶促進剤としての効能があります。
ただし、化合物として純度を高め、精製した場合の話ですので
人間が食事の中で、山椒やホワジャオをスパイス・薬膳として利用する分には
薬品として使う場合よりも作用は弱くなります。
山椒の薬膳・スパイスとしての効果は
・胃の働きを助けたり、消化不良の防止、腹痛などの消化器への作用
・風邪や咳などへの作用
に対して薬効があるとして用いられてきました。
サンショオールは、胃や腸に存在する「受容体」というものに作用し
消化器に対して働きを手助けするというのが理由の一つです。
胃や腸などの消化器にある「受容体」にスパイスの成分が働きかけると、消化器の働きが促進されるということが研究で明らかになっています。
そのほか、全身に作用して熱の産生を促して体を温める作用もあり、漢方では風邪などにも用いられてきました。
ただ、働きには個人差などもあります。
とりすぎると、人によっては下痢や腹痛、体調不良の原因にもなることがあります。
テスト前に「記憶がよくなる?!」といっぱい山椒をとっても、逆におなかが痛くなって大変…ということもありますのでご注意ください。
多量に摂取することで健康が促進するものでもありませんので、使用される場合は適切な量でのご使用をお勧めします。
まとめ
花椒(ホワジャオ)がしびれる理由・成分、漢方や薬膳での効能と
苦手な人に向けたしびれをとる方法・レシピについてまとめました。
どんな食べもの・スパイスも、量が過ぎれば体にとって負担となる場合があります。
辛味やしびれが癖になってしまうホワジャオですが、適度に楽しんで食べましょう。
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↓
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今回参考にした文献はこちらです。