毎年クリスマスの時期が近づくと心が浮き立つもの。
でも、クリスマスやサンタクロースの由来って実はよく知らなかったりしますよね。
特に海外のサンタクロースの由来はほとんど知らないことも。
今回は、ロシアのサンタクロース、
「青いサンタ」ともいわれるジェド・マロースについて調べました。
ジェド・マロース とはロシアのサンタクロース
ロシアのサンタクロースに相当するのは「ジェド・マロース(Дед Мороз)」というおじいさん。
ロシアでは、ジェド・マロースというひげを生やしたおじいさんが孫娘のスニェグーラチカを連れて、プレゼントを配るという風習があります。
ジェド・マロースは、ロシアの民間伝承に登場する霜の精。ジェドは「老爺」、マロースは「吹雪」や「寒波」を意味する。ロシア版のサンタクロースと言えるが、青い衣装を着ていることがある。(Wikipediaより)
「マロースおじいさん」ともいうべきジェド・マロース。
長い白ひげを生やし、青、赤、または白の色のコートを着た老人として描かれています。
フェルトブーツを履いて、杖を手に持っています。
3頭の馬に乗って、雪娘である孫のスネグーロチカと一緒です。
もともとはスラブの民間に伝わるおとぎ話がモデルです。
モデルとなったのは「フロスト」という霜の精。
フロストは長い灰色のひげをした短い老人の姿をしており、畑を駆け抜けて霜を降らせます。
寒さの厳しい冬は、スラブの農民にとって、次の年の豊作が問題となります。
そこでクリスマスや年明けの時期に「霜のクリック」という儀式を行う慣習がありました。
これはフロストを食事に招待し、パンケーキやゼリーなどの儀式的な食べ物をふるまっていました。
そして、夏にフロストが来て、穀物や農作物などに霜をふらせて傷つけないようにと頼むというものでした。
豊作祈願の風習は各地にありますが、霜の害が心配というのはロシアならではですね。
ジェド・マロースの物語
ジェド・マロースの登場する物語として、こんなお話があります。
彼女には実の母はおらず、継母とその連れ子の娘と暮らしていました。
意地悪な継母は連れ子ばかりをかわいがり、少女はつらい目にあわされる毎日を送っていました。
ある寒い冬の日、継母は娘を家から外に追い出してしまいました。
凍える風と雪の野原で、悲しむ少女の前にジェド・マロースが現れました。
ジェドマロースは少女に向かって冷たい風を吹き付けました。
そして少女に「暖かいか?」と尋ねました。
彼女は「暖かい」と答えました。
3回同じ質問を続けた後、ジェド・マロースは彼女に毛布や食べものを与えました。贈り物をもらって無事に家に帰った少女を見て、継母は自分の子供にも同じようにジェドマロースからの贈り物を与えてもらおうと外に送り出します。
ジェド・マロースは連れ子の前にも現れます。
再び冷たい風を吹きかけますが、連れ子は「寒い」と言って譲りません。
とうとう、冷たい風で連れ子は凍えてしまいました。
というものです。
ジェドマロースに素直に従ったからご褒美がもらえる、というおとぎ話なのですが。
現在の感覚では「どういうこと?」と思ってしまいますよね。
これは正直であることよりも、年長者や立場が上の相手に対して従順に従うことが良いとされていた、封建的な時代の教訓を含んだお話です。
青い サンタとなったロシアのジェド・マロース
現在のサンタクロースのモデルに近づいたのは、ソビエト時代の1930年代後半。
当時のソ連の時代は宗教に関係する祝い事は禁止されていました。
それでも冬のイベントを何かお祝いしたい、という目的で登場したのがジェド・マロース。
フロストと聖ニコラスから、サンタクロース(ジェド・マロース)が生まれました。
1980~90年代にサンタクロースとして定着し、今も愛されています。
ジェド・マロースは青や白のガウン(コート)を着ています。
杖にさわると凍ってしまいますので気を付けましょう!
最近では西洋のサンタクロースの影響で赤い服のサンタクロースも多いようです。
ロシアのクリスマスソング
ここで、ロシアのクリスマスの歌の動画を探してみました。
ロシア語の歌はあまりなじみがありませんが、やっぱりクリスマスソングは楽しいですね!
海外ではサンタクロースを信じる?サンタのいる国は?
サンタクロースのいるところは2か所。
フィンランドのラップランドとロシアです。
ラップランドにあるコルヴァトゥントゥリという山にサンタクロースが定住しています。
首都ヘルシンキから北へ1000 kmに位置するコルヴァトゥントゥリの頂上におり、
サンタは世界中の子供たちのクリスマスの願いを聞くことができます。
ロシアのサンタクロースの家
ロシアにも「サンタクロースの家」があります。
ロシアのサンタクロースはヴォログダ州の北東郊外にある「ヴェリキー・ウスチュグ(Veliky Ustyug)」という町に住んでいます。
“サンタクロースは魔法使いなので、ラップランドとグレートウスチュグの両方にいることができます。ラップランド自然保護区がサンタクロースへの子供の手紙に記載されていない場合、それらはヴェリキー・ウスチュグに届けられます。”(Wikipediaより)
年に3回、12月のクリスマス・お正月と3月(ロシアのサンタの誕生日)、そして6月のヴェリキイ・ウスチュグ市の設立日)にはサンタクロースと会うこともできます。
このサンタの家には、ロシア各都市からの観光客が多数訪れます。
サンタクロースへの手紙 海外では
また、ヴェリキー・ウスチュグにはサンタクロースのオフィスと郵便局があり、世界中から手紙が集まっています。
ロシアのサンタクロース郵便局は
です。
サンタクロースからの手紙やギフトなどが通信販売で注文できるようです。
かわいらしいぬいぐるみやサンタの置物などのセットも。
記載されている配送地域に日本は含まれていません。
日本でサンタクロース村からの手紙を受け取るには、日本のサンタ村に申し込む必要があります。
国際郵便で、サンタクロース村の消印が押されたサンタの手紙をもらうこともできますので、
「サンタクロースからの手紙が欲しい!」
という方はこちらから申し込みましょう。
(価格は税込み1750円です。)
まとめ
ロシアの青いサンタクロース「ジェド・マロース」の由来や物語についてまとめました。
民間の伝承とクリスマスのイベントが結びついた不思議な存在 ジェド・マロース。
ロシアに行ってサンタの家も訪れてみたいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
札幌のミュンヘンクリスマス市にはロシアの出店も出店し、マトリョーシカの販売も行っています。
ミュンヘンクリスマス市についての記事はこちらにまとめています。
よろしければ合わせてお読みくださいね。